第180回


「グループウェアの予算をどう組めばよいかわからない」「ライセンス費だけで見積もって、導入後に想定外の費用が出たらどうしよう」と悩むIT担当者は多いでしょう。
グループウェアの費用は、ライセンス費だけでなく、初期設定やデータ移行、アドオン、運用の手間まで含めて考える必要があります。製品によって含まれる機能の範囲も異なるため、単価だけで比べると判断を誤りがちです。
本記事では、グループウェアの費用相場と内訳、主要製品の料金比較に加え、費用を抑える方法や補助金の活用まで解説します。

グループウェアの費用相場は、クラウド型なら1ユーザーあたり月額数百円〜数千円、オンプレミス型なら初年度に数十万円〜数百万円というのが大まかな目安です。
ただし、これらの金額はあくまで目安です。 製品ごとに含まれる機能の範囲が異なるほか、初期費用やオプション費用、運用コストなどが加わることもあります。まずは型ごとの相場を押さえたうえで、実際にかかる費用の内訳まで確認することが大切です。
クラウド型は、初期費用が0円の製品が多く、1ユーザーあたりの月額料金で課金される仕組みが主流です。多くの製品は複数のプランを用意しており、社員数や必要な機能に応じて自社に合ったプランを選びます。
メールやOfficeアプリまで含む統合型は月額1,000円台〜が中心で、グループウェア機能に絞った国産型は、月額数百円から利用できる製品があります。
ユーザー数の増減が多い企業は月契約、増減が少ない企業は年契約を選ぶと、単価を抑えやすくなります。契約の途中でユーザー数を増やすこと自体は多くの製品で難しくないため、まずは必要最小限の人数で始め、利用が定着してから範囲を広げる進め方もできます。
一方で、無料プランや無料版を用意している製品もありますが、ユーザー数や容量に上限があるため、全社導入を前提とするなら早めに有料プランへの切り替えを見込んでおいたほうが安全です。
オンプレミス型は、ライセンス購入費に加え、サーバーの購入・構築費、保守費がかかります。
初年度は数十万円〜数百万円規模の初期費用が必要になりますが、ユーザー数が多い企業では、月額課金を積み上げるクラウド型より長期的に割安になるケースもあります。
多くの製品は、初年度のライセンス購入費に1年分の保守サポートが含まれ、2年目以降は年間契約でまとめて保守費用がかかる形をとっています。クラウド型と違って毎月の請求は発生しませんが、更新のたびにまとまった支払いが必要になる点は、予算計画のうえで意識しておく必要があります。
自社にサーバーを設置する分、構築や運用を担う情報システム部門の体制も欠かせません。ライセンス数が数百〜数千規模になると、1ユーザーあたりの単価が下がる段階制の価格表を採用している製品も多く、大規模な企業ほどオンプレミス型のコストメリットが出やすい傾向があります。
Google WorkspaceやMicrosoft 365のような統合型は、メールや文書作成・表計算などのオフィスアプリをプランに含みます。一方で、国産のグループウェアの多くは、社内の情報共有・申請機能に特化しており、メール環境を含みません。
そのため、単価だけを見て安い製品を選んでも、メールやOfficeアプリを別途契約する必要があり、結果として統合型より総額が高くなる場合があります。
国産型を選ぶ場合は、メールサーバーやOfficeライセンスをどう用意するかまで含めて予算を組むことが大切です。自社に必要な機能がどこまで含まれているかを確認したうえで、総額で比較しましょう。
【関連記事】グループウェアとは?主な機能やメリット・おすすめ製品5選をわかりやすく解説

グループウェアの費用は、ライセンス費だけで見積もると、導入後に想定外のコストが発生しがちです。ライセンス費以外にかかる、6つのコストを押さえておきましょう。
初期費用は、初期設定・ドメイン設定・シングルサインオン(SSO)の設定などにかかる費用です。
自社の担当者が作業すれば費用そのものはかかりませんが、設定内容によっては相応の工数がかかります。外部の導入支援業者に依頼する場合は、設定代行費用として数万円〜数十万円がかかることもあります。
とくに複数の部署・拠点にまたがる権限設計や、既存の認証基盤とのSSO連携は、社内の情報システム担当者だけでは対応しきれず、外部の手を借りるケースが少なくありません。
ライセンス費は、「ユーザー数×単価×契約期間」で決まる、見積もりに最も出てきやすい費用です。
同じ製品でも、年契約と月契約とで単価が異なるため、契約形態によって総額が変わります。また、同じ製品の中でも複数のプランが用意されている場合が多く、どのプランを何名分契約するかによっても総額は大きく変わります。全社員を一律のプランにするか、部署ごとに使い分けるかも、この段階であわせて検討しておきたいポイントです。
オプション・アドオン費とは、ストレージの追加、ワークフロー(稟議・承認)、組織カレンダー、AI機能などを個別に足すたびにかかる費用です。
標準プランに含まれない機能を使いたい場合、1機能あたり月額数百円〜数千円が上乗せされることが一般的です。必要な機能を一つずつ足していった結果、合計金額が上位プランの料金より高くなってしまうことがあるため、契約前に「アドオンをいくつ足す想定か」を洗い出し、上位プランの料金と比較しておくことが重要です。
自社開発のアドオンを提供している代理店であれば、標準機能にない稟議・承認フローや組織カレンダーだけを個別に追加でき、上位プランへの切り替えを避けられる場合もあります。
データ移行費は、既存のメールやファイル、スケジュールなどを新しい環境へ移行する費用です。
自社で移行する場合も、データ量や移行元の環境によっては数週間〜数か月の作業期間がかかります。切り替え期間中は、新旧2つの環境のライセンス費が二重にかかる点も、見落としやすいコストです。
移行専門の業者に依頼する場合は、ユーザー数やデータ量に応じて数十万円規模の費用がかかることもあります。過去のメールやファイルをどこまで移行するかによっても作業量が変わるため、全件移行するのか、直近の一定期間分に絞るのかを、事前に決めておくと見積もりも立てやすくなります。
運用・管理コストは、アカウントの発行・停止、権限設定、社員からの問い合わせ対応など、IT担当者にかかる工数です。
見積書には出てこない費用ですが、社員数が多い企業ほど日常的に発生し続けるため、社員数や運用体制によっては、長期的に大きな負担となるコストです。とくに人事異動や入退社が多い時期は、アカウントの棚卸しや権限変更の対応に工数が集中しがちです。
専任の担当者を置けない中小企業では、他の業務と兼務しながら対応することも多く、問い合わせ対応だけで日々の業務時間の一部が割かれてしまうケースも見られます。契約前に、日常の運用を誰がどれくらいの工数で担うのかを見積もっておくと、導入後の負担感のずれを防げます。
教育・定着コストは、社内マニュアルの作成や、研修の実施にかかる費用です。せっかく導入しても、社員が使いこなせなければ投資が無駄になるため、軽視できません。
操作説明会の開催や、部署ごとの問い合わせ窓口の設置など、定着までにかかる社内工数もあらかじめ見込んでおきましょう。ITツールに不慣れな社員が多い職場ほど、この工程を丁寧に行うかどうかが、導入後の利用率を大きく左右します。

クラウド版は、初期費用を抑えて導入しやすく、1ユーザーあたりの月額料金で比較しやすいのが特徴です。主要製品の料金や無料プランの有無、メール・オフィスアプリの同梱状況を比較します。
| 項目 | Google Workspace | Microsoft 365 Business | LINE WORKS | Garoon クラウド版 | desknet's NEO | GroupSession byCloud |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 年額契約制のため月額の初期費用表示なし |
| 月額料金の目安(1ユーザー) | 800円〜2,500円(Enterpriseは要問い合わせ) | 1,049円〜3,298円 | 0円(無料プラン)〜800円 | 900円 | 600円〜1,000円 | スマートプランは300円/ プレミアムは600円/ |
| 無料プラン | なし | なし | あり(30ユーザーまで) | なし | なし | なし |
| メール・オフィスアプリ同梱 | あり | あり | なし | なし | なし | なし |
| プラン数 | 4プラン | 4プラン | 3プラン(無料含む) | 単一プラン | 4プラン | ユーザー規模別の複数区分 |
以下の参考URLは、2026年9月時点です。最新情報は公式サイトをご確認ください
Google Workspace:https://workspace.google.com/pricing
Microsoft 365:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business
LINE WORKS: https://line-works.com/pricing/
Garoon クラウド版: https://garoon.cybozu.co.jp/price/
Garoon パッケージ版:https://garoon.cybozu.co.jp/price/package/
desknet's NEO:https://www.neo.co.jp/news/20240416/
GroupSession ZION: https://groupsession.jp/price/p_zion.html

オンプレミス版は、初年度にライセンス費やサーバー構築費がかかる一方、利用人数が多い企業では長期的なコストを抑えられる場合があります。主要製品の初年度費用や2年目以降の保守費を比較します。
| 項目(100ユーザー規模の例) | Garoon パッケージ版 | desknet's NEO パッケージ版 | GroupSession(ZION) |
|---|---|---|---|
| 初年度費用の目安(保守1年分込み) | 1,100,000円(11,000円×100ユーザー) | 500,000円 | 400,000円 |
| 2年目以降の年間保守費の目安 | [220,000円 | 90,000円 | 150,000円 |
| 課金の単位 | ユーザー数の帯ごとの単価制 | ユーザー数の帯ごとの定額制 | ユーザー規模ごとの年額契約制 |
| 備考 | 2027年10月に新規販売終了、2033年1月末サポート終了予定 | ー | 100〜10,000ユーザー超まで対応する大規模向けブランド |
以下の参考URLは、2026年9月時点です。最新情報は公式サイトをご確認ください
Garoon パッケージ版(サイボウズ):https://garoon.cybozu.co.jp/price/package/
desknet's NEO パッケージ版(ネオジャパン):https://www.desknets.com/neo/price/package.html
GroupSession(日本トータルシステム):https://groupsession.jp/price/p_zion.html

ライセンス費以外のコストも踏まえたうえで、費用を抑える方法を6つ紹介します。どれも特別な技術は不要で、契約や運用の見直しだけで実践できるものばかりです。
月契約より単価が下がるのが一般的です。Google WorkspaceやLINE WORKSのように、年契約を選ぶことで月契約より1〜2割程度安くなる製品もあります。ユーザー数の増減が少ない企業であれば、年契約に切り替えるだけで、ライセンス費を抑えられる場合があります。ただし、年契約は途中解約や大幅な減員があっても料金が戻らないことが多いため、事業計画上、ユーザー数が大きく変わる見込みがある場合は、月契約のまま様子を見る選択肢も検討してください。
現場担当者は下位プラン、管理部門は上位プランというように、役割に応じてプランを使い分けると、全社を一律の上位プランに揃えるよりコストを抑えられます。全員にセキュリティ機能や大容量ストレージが必要とは限らないため、部署ごとに必要な機能を洗い出したうえでプランを割り当てましょう。
退職者や、異動で使わなくなったアカウント、実際にはログインされていない休眠アカウントを放置していると、無駄なライセンス費が発生し続けます。半年〜1年に一度など、棚卸しのタイミングをあらかじめ決めておき、不要なアカウントを整理する運用ルールを作りましょう。人事システムと連携させてアカウントの棚卸しを自動化できる製品もあるため、社員数が多い企業ほど、こうした仕組みの活用を検討する価値があります。
グループウェアは、プランごとに利用できる機能が異なるため、自社だけで最適な構成を判断するのが難しい場合があります。代理店に相談すれば、現在の利用状況や必要な機能を整理したうえで、適したプランを選定できます。
たとえば、ワークフローや組織カレンダーなど一部の機能だけが不足している場合は、全社員を上位プランに変更するのではなく、必要なアドオンだけを追加する方法もあります。プラン変更とアドオン追加のどちらが適しているかを比較できる点が、代理店に相談するメリットです。
「デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)」は、中小企業・小規模事業者の労働生産性向上を目的に、AIを含むITツールの導入費用の一部を補助する制度です。
対象になるツールの種類や申請枠、補助率・上限額は年度ごとに変わるため、活用を検討する場合は、事務局の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
契約する製品やプランが決まった後は、契約手続きや支払い、初期設定、導入後のサポートにも対応が必要です。代理店経由で契約すれば、こうした窓口をまとめられる場合があります。
代理店によっては請求書払いに対応しているほか、初期設定やデータ移行、運用サポートまでまとめて依頼できます。契約後の手続きや導入作業まで任せることで、IT担当者の負担を減らせる点がメリットです。
サテライトオフィスは、Google WorkspaceやMicrosoft 365、LINE WORKSなど、主要なグループウェアの導入支援に対応しています。自社に合う最適なものをご提案します。お気軽にお問合せください。
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料金の安さだけでグループウェアを選ぶと、後から想定外の負担が生じることがあります。代表的な4つの失敗ケースを紹介しますので、契約前のチェックに役立ててください。
無料版や個人向けプランで業務データを扱うと、会社としてアカウントやデータを管理できません。
社員が退職すると、業務データが個人のもとに残ってしまう恐れがあります。管理者が全社員のアカウントを一括で停止・回収する仕組みがないため、退職者の私物端末に取引先情報が残り続ける、といったセキュリティ上のリスクにもつながります。
無料で始められる手軽さに惹かれても、業務で本格的に使うのであれば、早い段階で法人向けの有料プランへ移行しておくことをおすすめします。
契約時の人数や用途だけで安いプランを選ぶと、ストレージ容量や機能が不足し、結局上位プランへの変更を迫られることがあります。プラン変更時には、データ移行が必要になる場合もあります。
移行作業には工数だけでなく、切り替え期間中に新旧プランのライセンス費が二重にかかることもあるため、最初のプラン選定の段階で、半年〜1年先の利用状況まで見越して余裕を持たせておくことが重要です。
必要な機能を一つずつアドオンで足していった結果、上位プランの月額料金より高くなってしまうケースです。
個々のアドオンは数百円程度でも、複数を組み合わせると合計額は意外と大きくなります。アドオンを1つ追加するたびに稟議を通していると、いつの間にか上位プランより割高になっていた、ということも起こりえます。アドオンを足す前に、必ず上位プランとの総額を比較してください。
ライセンス費だけを稟議に通し、移行や運用にかかるIT担当者の工数を見積もっていないと、導入後に担当者の負担が増えます。
アカウントの発行・停止、社員からの問い合わせ対応は、導入後も継続的に発生する業務です。とくに兼任でIT担当を務めている企業では、この工数が想定以上に本来の業務を圧迫することがあります。
見積書に出ない工数こそ、稟議の段階で示しておくことが、後から「聞いていた話と違う」と言われないためのポイントです。

グループウェアの導入では、製品やプランの比較だけでなく、見積もりの取得、既存データの移行、初期設定、アカウント管理、社内からの問い合わせ対応まで、IT担当者が担う業務は多岐にわたります。通常業務と並行して進めるには、大きな負担になりがちです。
サテライトオフィスでは、Google Workspace・Microsoft 365・LINE WORKSなどを比較し、自社に合う製品・プランの選定から、初期設定、データ移行、導入後の運用まで支援しています。
また、自社開発のアドオンを活用することで、必要な機能だけを追加し、上位プランへの変更を避けられる場合もあります。請求書払いにも対応しているため、社内の購買・経理フローに合わせた導入も可能です。
製品選びから導入後の運用までをIT担当者だけで抱え込まず、必要な部分を外部に任せることで、導入にかかる工数を抑えられます。
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まず自社の課題(何に困っているか)を明確にしたうえで、トータルコスト・ID管理・セキュリティ・日本特有の業務への対応・移行のしやすさ・AI機能・サポート体制の7つで比較することをおすすめします。
料金だけを基準にすると、後から機能不足や運用負担の増加といった形でしわ寄せが来やすいため、複数の観点を組み合わせて検討してください。
無料プランや無料版を提供している製品はあります。ただし、ユーザー数・容量・管理機能に制限があるため、業務データを扱うのであれば、有料プランを選ぶほうが安全です。
無料版はまず操作感を試す用途と割り切り、本格的な運用に移る段階で有料プランへの切り替えを検討するとよいでしょう。
クラウド型は初期費用0円の製品が多くなっています。ただし、初期設定やデータ移行を外部に依頼する場合は、別途費用がかかります。
オンプレミス型は、初年度にライセンス購入費とサーバー構築費がまとまってかかる点が、クラウド型との大きな違いです。
製品とプランによって大きく異なります。含まれる機能の範囲をそろえたうえで比較することが重要です。メールやOfficeアプリまで含む統合型と、グループウェア機能に絞った国産型とでは、同じ「1人あたりの月額」でも比較の前提がそろわないため、単価だけを見て判断しないよう注意してください。
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の対象になる場合があります。対象になるツールの種類や申請枠、補助率・上限額は年度ごとに変わるため、対象ツールや条件は、事務局の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
グループウェア選びは、単価の安さではなく、同じ機能をそろえた総額と、運用の手間まで含めて判断することが大切です。
ライセンス費だけを見て決めると、初期設定やデータ移行、運用・管理の工数といった、見積書に出てこない費用を見落としがちです。クラウド型・オンプレミス型それぞれの相場と内訳を踏まえ、複数製品の総額を比較したうえで、自社に合ったグループウェアを選びましょう。この視点を持つことが、導入後の想定外の出費を防ぐポイントになります。
グループウェアの導入を検討されている方は、サテライトオフィスへお気軽にご相談ください。
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