第135回


「プレゼン資料を作らなければならないが、時間が足りない」
「スライドのデザインに自信がない」
こうした悩みを抱える方に、Googleスライドに搭載されたAI機能が大きな変化をもたらしています。
GoogleのAIであるGeminiがGoogleスライドに組み込まれ、テキスト入力だけでスライドを自動生成し、画像を作り、既存資料を要約することが可能になりました。
本記事では、Gemini in Googleスライドの仕組みから実践的な使い方・注意点まで、企業のIT担当者やビジネスパーソンが知っておくべき情報をまとめます。

GoogleスライドにはGeminiというGoogleのAIが統合されており、プレゼンテーション制作の多くの工程を自動化・補助する機能が提供されています。この機能は「Gemini in Google スライド」と呼ばれ、画面右側のサイドパネルから呼び出せます。
一般的なAIアシスタントとの大きな違いは、Googleスライドのファイルと直接連携している点です。プロンプト(指示文)を入力するだけで編集可能なスライドが生成され、Googleドライブ内のドキュメントや外部Web情報を参照させることもできます。
Gemini in Googleスライドは、大きく分けて次の4つの役割を担っています。
これらの機能を組み合わせることで、資料作成にかかる時間を大幅に圧縮できます。
Gemini in Googleスライドの利用には、対応するGoogle WorkspaceまたはGoogle AIプランへの加入が必要です。無料のGoogleアカウントでは利用できない機能が多く、Business Standard以上のGoogle WorkspaceプランまたはGemini Advancedが対象となります。
プラン別の対応状況は頻繁に更新されるため、最新の情報はGoogle公式のサポートページで確認することをお勧めします。企業でのまとめ導入を検討している場合は、Google WorkspaceプレミアパートナーであるサテライトオフィスのGoogle Workspace導入支援にご相談ください。最適なプランを提案いたします。
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実際の操作手順はシンプルです。Googleスライドを開いたら、画面右側にある「Gemini」のアイコンをクリックするとサイドパネルが展開します。ここにプロンプトを入力することで、各種AI機能を呼び出すことができます。
新規スライドを生成する場合、サイドパネルのテキストボックスにプレゼンのテーマや枚数を指示します。たとえば「新入社員向けのGoogleWorkspace活用研修、8枚のスライドを作成してください」のように入力します。
Geminiはプロンプトの内容を解釈し、タイトルスライドから目次・本文・まとめまでを含む構成案を自動で生成します。生成されたスライドはプレビューで確認でき、問題がなければ「挿入」ボタンでドキュメントに追加できます。
注意:Gemini in Googleスライドの機能はプランやGeminiのバージョンによって随時更新されます。スライド生成の仕様や対応範囲の最新情報は、Google公式のサポートページで確認することをお勧めします。
Geminiはユーザーが指定した参照先の情報を読み込み、スライドを作成する機能も持っています。Googleドライブ内のドキュメントやスプレッドシートを「@」で指定すると、そのファイルの内容を基にプレゼン資料を構成してくれます。
会議資料の要約スライドを作りたいとき、あるいは長文レポートをプレゼン用に変換したいときに特に有効です。なお、Geminiが参照できるのはGoogleドライブ内のファイルと公開されているWeb情報に限られており、外部のクラウドストレージやPDF等は別途アップロードが必要です。
スライドに挿入する画像をAIで生成することも可能です。「このスライドのテーマに合う未来的なオフィスのイラストを生成してください」といった指示を入力すると、Geminiがイラストを描いてくれます。
また、スライドに配置済みの画像の背景を自動で除去する「背景透過」機能もあり、フリー素材やスクリーンショットをそのまま使う際の加工作業を省略できます。デザインに不慣れな方でも、視覚的にまとまったスライドを作りやすくなっています。

AIにスライドを生成させるとき、プロンプトの書き方によって結果の質が大きく変わります。「スライドを作って」と入力するだけでは汎用的な構成しか得られません。
効果的なプロンプトには、次の3要素を含めるとよいでしょう。
| 要素 | 具体例 |
|---|---|
| 目的(何のためのプレゼンか) | 「経営層への四半期レポート」「新製品の社内説明会」 |
| 対象(誰に向けたものか) | 「IT部門向け」「営業担当者向け」「非エンジニア向け」 |
| 枚数・構成の指定 | 「10枚で、課題・解決策・まとめの流れで」 |
この3要素を盛り込むだけで、Geminiが生成するスライドの構成精度が格段に上がります。
一度に完成品を求めるより、まず「構成案を作って」と指示し、承認してから「各スライドの本文を埋めて」と続けるほうが、意図に近い結果を得やすい傾向があります。
特に、専門性の高い内容や会社固有の情報が多い資料は、構成だけGeminiに任せて本文は人間が書き直す、というハイブリッドなアプローチが現場では効果的です。AI生成はたたき台であり、最終的な判断は人間が行うという姿勢が資料の品質を担保します。
GeminiアプリのCanvas機能からスライドを生成する方法もあります。こちらはGeminiのチャット画面から直接スライドを生成でき、生成後にGoogleスライドへエクスポートする流れです。
Googleスライドのサイドパネルから使う場合と比べて、スクリーンショットや参照資料をアップロードしてデザインのインスピレーション源にできる点や、PDF形式での共有が簡単な点がCanvas固有のメリットです。用途によって使い分けるとよいでしょう。

Geminiが便利な一方、AIを用いた資料作成にはいくつかのリスクが伴います。業務利用の場面では特に、著作権とハルシネーション(AI由来の誤情報)への対策が欠かせません。
Geminiが生成した画像は、学習データに含まれた既存の作品と類似する可能性があります。特定のキャラクターや著名人に似た画像が生成されてしまうケースがあり、それをそのまま商業資料に使用した場合、著作権や肖像権を侵害するリスクがあります。
対策としては、固有名詞を避けた抽象的なプロンプト(「アニメ風のキャラクター」より「抽象的なビジネスイラスト」)を使い、生成結果を必ず目視で確認することが重要です。社内向けの資料より、外部公開資料や商業用資料では特に慎重な判断が求められます。
AIが自信を持って提示した情報でも、事実と異なる内容が含まれる場合があります。これはハルシネーションと呼ばれるAI特有の現象で、数値・固有名詞・出来事の日付などで誤りが生じやすい傾向があります。
経営層への報告資料や顧客向け提案書など、正確性が問われる場面では、Geminiが生成した文章・データを必ず一次情報に照らして確認してください。AIはあくまで草稿の生成を担うツールであり、最終的な内容の責任はユーザーが負う、という認識を組織内で共有することが大切です。

個人でGeminiのスライド生成を試してみることと、組織全体で業務効率化に活かすことは、準備すべきことがまったく異なります。企業がGoogle WorkspaceのAI機能を本格的に展開するには、いくつかの重要な検討事項があります。
無料のGoogleアカウントでGeminiを利用すると、入力したデータがAIモデルの改善に使用される可能性があります。一方、Google Workspace Business以上のプランでは、ユーザーが入力したデータはGoogleのAIモデルのトレーニングに使用されないという条件が設定されています。
プレゼン資料の作成過程で、未公開の新製品情報・財務データ・顧客情報などをGeminiに入力する場合は、利用プランのデータポリシーを事前に確認しておくことが必須です。
AIツールを組織に導入する前に、「何を入力してよいか」「生成された内容はどう確認するか」「どのプランを利用するか」という社内ポリシーを定めておく必要があります。
部門ごとにリスク評価も異なります。マーケティング部門ではコピーライトの問題、法務部門では機密情報の流出リスク、IT部門ではAPI利用時のセキュリティ設定など、利用する立場によって注意すべき点は変わります。Google Workspaceの管理コンソールでは、ユーザーごとのGemini機能の有効化・無効化も設定できるため、段階的な展開が可能です。
さらに高度なAI活用を目指す企業には、Google CloudのGemini EnterpriseやVertex AIという選択肢もあります。AIエージェントの設計・管理・展開を単一の安全な基盤で実現できるサービスで、社内の複数システムを横断したAIワークフロー自動化も視野に入ります。
スライド作成のような個別の生産性向上から、組織全体のAI基盤構築へとステップアップする際には、Google Cloudプレミアパートナーに相談することが近道です。
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GoogleスライドのAI機能は、適切なプランと運用体制があれば、組織のプレゼン資料作成を根本から効率化できるツールです。しかし、「どのプランが自社に合うか」「AI活用ポリシーをどう策定するか」「Gemini EnterpriseやVertex AIまで視野に入れるべきか」といった判断は、一企業のIT担当者だけで進めるには情報量が多すぎることも確かです。
株式会社サテライトオフィスはGoogle Cloudプレミアパートナーとして、8万社以上へのクラウドアドオンツールの導入支援実績を持ちます。Google Workspaceのライセンス提案から、Gemini Enterprise・Google Agentspaceの導入支援まで、一気通貫でサポートしています。
請求書払い・日本円決済での対応や、導入後の電話・メールサポートも提供しており、Google直接契約では得にくい実務的なサポートが受けられます。
GoogleスライドをはじめとしたGoogle WorkspaceのAI活用を本格化したい方は、まずサテライトオフィスにご相談ください。
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