第109回


Web会議でグループワークや少人数ディスカッションを取り入れたい場面は多くあります。
Google Meetには、参加者を複数の小グループに分割して同時進行できる「ブレイクアウトルーム」機能があり、研修・ワークショップ・社内会議など幅広いシーンで活用されています。
本記事では、ブレイクアウトルームの概要から事前設定・会議中の作成手順・管理方法・よくあるトラブルまで、実務で役立つ情報をまとめて解説します。

ブレイクアウトルームは、Google Meetのメインセッションから参加者を小グループに振り分け、グループごとに独立した会話ができるようにする機能です。Google Meetの画面上では「ブレイクアウトセッション」とも表記されており、同じ機能を指しています。
ブレイクアウトルームでは、1つのメイン会議の中に最大100のルームを作成し、参加者を各ルームに割り当てることができます。各ルームは独立したビデオ・音声空間として機能するため、グループごとに異なるテーマで議論したり、課題に取り組んだりすることが可能です。
主な機能は以下のとおりです。
参加者側は自分でルームを移動できないため、グループ分けの管理はすべて主催者・共同主催者が担います。会議の進行を統制しながら少人数のグループワークを実現できる点が、この機能の大きなメリットです。
ブレイクアウトルーム中は録画ができません。ブレイクアウトセッション中はメインセッションを含めて録画ができない状態になります。セッション終了後にメインセッションへ戻ってから録画を再開することは可能ですが、ブレイクアウトルーム内でのやり取りは一切記録されません。議事録が必要な場合は、各ルームで担当者がメモを取るなど、別途対応が必要です。
録画が停止することを参加者に事前に案内しておくと、混乱を防ぐことができます。研修や重要な意思決定を伴う会議では、グループワークの内容をまとめるシートを別途用意しておくと安心です。

ブレイクアウトルームはすべてのGoogle Workspaceエディションで利用できるわけではありません。利用を始める前に、プランと権限の条件を確認しておく必要があります。
ブレイクアウトルームが利用できるエディションは以下のとおりです。
| エディション | ブレイクアウトルーム |
|---|---|
| Business Starter | × 利用不可 |
| Business Standard | ○ 利用可 |
| Business Plus | ○ 利用可 |
| Enterprise Starter | ○ 利用可 |
| Enterprise Standard | ○ 利用可 |
| Enterprise Plus | ○ 利用可 |
| Education Standard | ○ 利用可 |
| Education Plus | ○ 利用可 |
| Workspace Individual | ○ 利用可 |
Business Starterはブレイクアウトルームに対応していません。研修や社内ワークショップでの活用を検討している場合は、Business Standard以上のエディションをご利用ください。エディションのアップグレードについては、Google Workspaceの管理コンソールから手続きできます。
ブレイクアウトルームの作成・参加者の割り当て・セッションの開始と終了は、会議の主催者と共同主催者のみが操作できます。一般の参加者は自分でルームを選んで移動することも、他のルームの状況を確認することもできません。
共同主催者に設定すると、主催者が不在の場合でも操作を代行できます。
大人数の研修や複数のセッションを並行して進める場合は、ファシリテーター役のスタッフを共同主催者として事前に追加しておくと、運用がスムーズになります。共同主催者の設定は、会議中に参加者リストから変更可能です。

Googleカレンダーから会議を作成する際に、ブレイクアウトルームをあらかじめ設定しておくことができます。当日の会議冒頭でルームを作成する手間を省けるため、参加人数が多い研修や段取りが決まっているワークショップでは、事前設定の活用をおすすめします。
Googleカレンダーで新しい会議を作成し、ブレイクアウトルームを事前設定する手順は以下のとおりです。
設定内容はカレンダーのイベントに保存されるため、会議当日は「セッションを開く」ボタンを押すだけですぐに利用を開始できます。参加者の割り当てまで済ませておけば、開始前の準備時間を大幅に削減できます。
すでに作成済みの会議にブレイクアウトルームを追加したい場合も、同様の手順で対応できます。
参加者名による割り当ては、カレンダーの招待者リストと連動しています。招待済みメンバーをあらかじめグループごとに割り振っておくことが可能なため、会議当日の段取りをしっかりと整えたい場合に役立てられます。

事前設定なしでも、会議が始まってからブレイクアウトルームを作成できます。急遽グループワークを取り入れたい場面や、参加者が揃ってから振り分けを決めたい場合に活用してください。
会議中にブレイクアウトルームを作成する基本の手順は以下のとおりです。
「セッションを開く」をクリックすると、参加者の画面に招待通知が届き、割り当てられたルームへ移動します。操作自体はシンプルで、慣れれば会議中でも短時間でセットアップが完了します。
参加者の振り分けには、手動割り当てとランダム割り当ての2種類があります。
手動割り当ては、各ルームに入れたい参加者を個別に指定します。チームや部署ごとに分ける場合、または事前に決めたグループ構成をそのまま反映させたい場合に適しています。ランダム割り当ては、参加者をシステムが自動的に均等配分します。
グループの偏りをなくしたい研修や、初対面同士のアイスブレイクを目的とした懇親会型の会議で有効です。
割り当て後でも「セッションを開く」前であれば、参加者をドラッグ&ドロップで別のルームへ移動させることができます。メンバー構成を微調整してから開始できるため、手動・ランダムを組み合わせた使い方もできます。
ブレイクアウトセッションにはタイマー機能が搭載されています。あらかじめ終了時間を設定しておくと、時間が経過したタイミングで自動的に全参加者がメインセッションへ戻ります。議論の時間を区切り、会議全体のスケジュールを管理したい場合に便利です。
タイマー終了の直前には、参加者の画面に残り時間の通知が表示されます。グループのまとめが間に合わない場合は、主催者がセッションを延長することも可能です。時間管理を徹底したい研修やワークショップでは、タイマー機能を積極的に活用してください。

セッションを開始した後も、主催者はルーム間を自由に移動してグループの状況を確認したり、全員をメインに戻したりすることができます。会議の進行管理として有効に活用してください。
主催者と共同主催者は、セッション開始後もすべてのルームを確認し、任意のルームへ参加できます。
複数のルームで進捗を巡回確認する際、主催者が入室しても参加者の会話は中断されません。ファシリテーターがサポートに回る場合も、このパネルから手軽に移動できます。巡回のタイミングや頻度をあらかじめ決めておくと、各グループも安心して作業を進めやすくなります。
グループワークが終了し、全員をメインセッションに戻す場合は、ブレイクアウトセッションパネルの「すべてのセッションを終了」ボタンをクリックします。クリック後、全参加者にメインセッションへの移行通知が届き、数秒以内にメインセッションへ戻ります。
タイマーを使用している場合は、指定した時間が経過した時点で同じ処理が自動で実行されます。手動で早めに終了させたい場合は、タイマーの残り時間にかかわらず「すべてのセッションを終了」ボタンが有効です。特定のルームだけを終了させることはできないため、全グループのワークが終わったことを確認してからボタンを押すよう注意してください。

「アクティビティにブレイクアウトセッションが表示されない」「設定しようとしても項目が見当たらない」といったトラブルには、いくつかの主な原因があります。原因を順番に確認することで、多くのケースで解決できます。
ブレイクアウトルームが使えない代表的な原因と対処法は以下のとおりです。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| Business Starterプランを使用している | Business Standard以上へのアップグレードが必要。管理コンソールからプランを変更する |
| Google Workspace管理者によって機能が無効化されている | 管理コンソール(管理者向け)で「Google Meetの設定」→「ビデオ通話」→「ブレイクアウトセッション」を有効にする |
| 会議の主催者でも共同主催者でもない | 会議の主催者に共同主催者として設定してもらう |
| ブラウザやアプリが古いバージョン | Google ChromeまたはMeetアプリを最新バージョンに更新する |
最も多い原因は、プランがBusiness Starterであるケースと、管理者設定で機能が無効化されているケースです。IT担当者に確認を取る際は、どちらの原因に該当するかを管理コンソールで確認してもらうとスムーズに解決できます。
プランのアップグレードについては、サテライトオフィスのGoogle Workspace導入・サポートページでもご相談を受け付けています。
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ブレイクアウトルームは研修やワークショップだけでなく、日常の社内会議でも幅広く活用できます。シーンに合わせた使い方を押さえておくことで、Web会議の質を高められます。
新入社員研修や部門横断のワークショップでは、全員が一堂に会するより、少人数のグループに分かれて議論する形式のほうが、参加者の発言量と理解度が上がりやすい傾向があります。ブレイクアウトルームを使うことで、オンラインでもグループワークの場を作れます。
研修での活用例として、以下のような形式が効果的です。
主催者が各ルームを巡回してグループの進捗を確認し、必要に応じてアドバイスする流れにすると、対面研修に近い密度を保つことができます。事前にグループワークの課題を共有ドキュメントに用意しておくと、参加者がルームに入ったあとすぐに作業を開始できます。
大人数が集まる全体会議の中に、部門別や役割別のブレイクアウトセッションを組み込む使い方もあります。議題ごとに関係者だけで意見交換したうえで、全体セッションで共有する流れが取れるため、会議時間の短縮と議論の深化を両立しやすくなります。
主な活用シーンをまとめると以下のとおりです。
| シーン | ルームの分け方 | 活用のポイント |
|---|---|---|
| 新人研修 | チーム・班ごと | タイマーを設定し、グループワークの時間を統一する |
| スキルアップ研修 | レベル・役職ごと | 手動割り当てでレベル別グループを構成する |
| 全社会議 | 部門・事業部ごと | 部門内で意見集約後、メインで発表する流れにする |
| 社内ワークショップ | ランダム | 部署を越えた交流を促進する |
| 採用・面接 | 面接官+応募者 | 複数の面接を同時並行で実施する |
| 懇親会 | ランダム | 短時間で参加者を入れ替えてネットワーキングを促す |
事前にグループ構成を決めておき、Googleカレンダーで設定を保存しておくと、当日の準備時間を大幅に短縮できます。参加人数が多い会議ほど、事前設定の効果が高まります。ランダム割り当てと手動割り当てを用途に応じて使い分けることで、さまざまな会議スタイルに対応できます。

Google Meetのブレイクアウトルームは、Web会議をインタラクティブな場に変える機能です。適切に活用することで、研修の質や社内議論の深度を向上させることができます。
本記事で解説したポイントを改めて整理します。
Google WorkspaceはブレイクアウトルームをはじめとするGoogle Meetの高度な機能を業務に組み込むことで、チームのコミュニケーション品質を大きく向上させることができます。Google Workspaceの導入や、エディションのアップグレードを検討している場合は、Google Workspaceプレミアパートナーとして8万社以上の導入実績を持つサテライトオフィスにご相談ください。
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