第99回


Googleドライブ(Google Drive)は、Googleが提供するクラウドストレージサービスです。ファイルやフォルダをクラウド上に保存し、インターネット環境があればどこからでもアクセスできる利便性が評価され、多くの企業や個人に活用されています。
なかでも「共有機能」は、チームでの協業や社外パートナーとのデータ受け渡しに欠かせない機能です。共有相手への権限設定やリンクの公開範囲を適切に管理することが、安全な運用の前提となります。
本記事では、Googleドライブの共有方法を特定ユーザーへの招待手順からリンク共有の設定、権限の種類と使い分け、社外共有の注意点まで、企業のIT担当者向けに詳しく解説します。

Googleドライブの共有機能を使うと、保存したファイルやフォルダを特定のユーザーや組織内外のメンバーと手軽に共有できます。共有の方法や権限の設定を正しく理解することが、安全で効率的な運用につながります。
Googleドライブの共有機能は、クラウド上に保存されたファイルやフォルダへのアクセス権を他のユーザーに付与する仕組みです。メールにファイルを添付して送付する従来の方法とは異なり、ファイル本体はクラウド上に一元管理されたまま、複数のメンバーが同じファイルを参照・編集できる点が大きな利点です。
ファイルが常に最新の状態でクラウド上に存在するため、バージョン管理の手間が省け、誰もが同じ情報を確認できる環境を実現します。特に複数人が関わるプロジェクト管理や、社外との資料共有などで活用されます。
Googleドライブで共有できるファイルの種類は多岐にわたります。Googleが提供する各種アプリケーションの形式に加え、一般的なビジネスで使用するほぼすべてのファイル形式に対応しています。
Microsoft Officeのファイルは、Googleドライブ上でそのまま共有できます。相手がGoogleドキュメントに変換して開くことも、Office形式のままダウンロードして使うことも可能です。ファイル形式による制限は少なく、日常業務のほぼすべてのファイルに対応しています。
Googleドライブのファイル共有には、大きく分けて2種類の方法があります。
| 共有方法 | アクセス範囲 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 特定ユーザーへの共有 | 指定したメールアドレスのユーザーのみ | セキュリティが高く、誰がアクセスできるかを明確に管理できる | 社内メンバーへの共有・取引先との機密書類のやり取り |
| リンク共有 | URLを持っている人(設定により異なる) | URLを送るだけで共有できる手軽さがある。公開範囲の設定が重要 | セミナー資料の配布・社外への公開資料の共有 |
どちらの方法を選ぶかは、共有相手や内容によって判断します。社内の特定チームへの共有や機密性の高いファイルには特定ユーザーへの共有が適しており、公開を前提とした資料の配布にはリンク共有が便利です。それぞれの特徴を踏まえて使い分けることが、セキュリティと利便性のバランスを保つことにつながります。

特定のユーザーとファイルやフォルダを共有する方法は、メールアドレスを使った招待形式が基本です。招待された相手は通知メールを受け取り、ファイルにアクセスできるようになります。
特定ユーザーへの共有は、共有相手のメールアドレスを指定することでアクセス権を付与する方法です。指定した相手以外はアクセスできないため、機密性の高いファイルや個人情報を含む資料の共有に適しています。
特定のユーザーとファイルやフォルダを共有する手順は次のとおりです。
Google Workspaceを使用している組織では、メールアドレスの入力中に組織内のメンバーが自動でサジェストされます。社外のメールアドレスを入力した場合、「組織外のユーザーと共有しようとしています」という警告が表示されることがあります。社外共有が意図したものかどうか確認のうえ、操作を進めてください。
Googleアカウントを持っていない相手のメールアドレスを入力した場合も、招待メールを送ることは可能です。ただし、アクセスできる機能はGoogleアカウント有無によって異なるため、相手の環境を事前に確認することをおすすめします。
グループアドレスを使った共有も有効です。Google Workspace上で作成したグループのメールアドレスを入力すると、グループに属するメンバー全員に一括でアクセス権を付与できます。部署や役職ごとにグループを設定しておくことで、共有の設定と管理が効率化されます。
共有を設定すると、デフォルトでは共有相手に招待メールが届きます。通知の内容や設定については以下を確認してください。
社内共有で通知メールが不要な場合や、相手がすでにアクセスを認識している場合は、「通知を送信する」のチェックを外してから「共有」を実行します。一方、初めてアクセス権を付与する相手には、通知メールを送ることでファイルの存在を確実に伝えられます。
招待メールには「メッセージを追加」欄を活用し、ファイルの概要や用途を一言添えておくと、受け取った相手がスムーズに内容を把握できます。

リンク共有は、URLを知っている人がファイルにアクセスできる方式です。一人ずつ招待する手間がなく、不特定多数に資料を渡す場面で活用されます。ただし、公開範囲の設定を誤ると情報漏洩のリスクがあるため、慎重な設定が求められます。
リンク共有では、Googleドライブが発行するURLをメールやチャットツールで送付することで、相手がファイルにアクセスできます。特定ユーザーへの招待と異なり、事前にメールアドレスを把握していなくても共有できるため、セミナー後の資料配布や社外への公開案内などに便利です。
リンク共有の設定手順は以下のとおりです。
リンク共有を「リンクを知っている全員」に設定すると、URLを持つ人であれば誰でもアクセスできる状態になります。送付先の誤りやURLの転送によって、意図しない第三者がアクセスできる可能性があるため、ファイルの内容と共有範囲をよく確認してから設定を変更してください。
リンク共有には、以下の2種類の公開範囲があります。それぞれの特徴と適切な利用シーンを確認のうえ、状況に応じて使い分けます。
| 設定 | アクセスできる相手 | セキュリティレベル | 推奨シーン |
|---|---|---|---|
| 制限付き | 「共有」で招待した特定のユーザーのみ | 高い(招待者以外はアクセス不可) | 社内資料・機密情報・個人情報を含むファイル・取引先との限定共有 |
| リンクを知っている全員 | URLを持つ人すべて | 低い(URLが流出した場合のリスクがある) | 公開資料・セミナー配布資料・外部向け案内・ダウンロード資料の提供 |
「制限付き」が既定の設定であり、特別な理由がない限りは「制限付き」のまま運用することを基本とします。「リンクを知っている全員」への変更は、内容の公開を前提としたファイルに限って使用し、機密情報や個人情報を含むファイルには使用しない運用ルールを設けることが重要です。

Googleドライブでは、ファイル単位だけでなくフォルダ単位でも共有設定ができます。フォルダ共有を活用すると、プロジェクトや部門ごとにまとめてアクセス権を付与できるため、管理の手間を大幅に削減できます。
多数のファイルを個別に共有する手間を省きたい場合は、フォルダ単位での共有が有効です。フォルダを共有すると、フォルダ内にあるすべてのファイルとサブフォルダに同じ権限が一括で適用されます。プロジェクトの進行中にメンバーが新しいファイルをフォルダ内に追加した場合も、追加されたファイルに自動的に同じ共有設定が引き継がれます。
フォルダを共有した場合と、ファイルを個別に共有した場合の主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | フォルダ共有 | 個別ファイル共有 |
|---|---|---|
| 共有の対象 | フォルダ内のすべてのファイル・サブフォルダ | 選択した1ファイルのみ |
| 権限の適用範囲 | フォルダ内の全コンテンツに同じ権限が適用される | 選択したファイルにのみ権限が適用される |
| 新規ファイル追加時 | フォルダに追加したファイルにも自動で権限が引き継がれる | ファイルを追加するたびに個別の設定が必要 |
| 管理の手間 | フォルダ単位で一括管理できる | ファイルごとに設定が分散する |
| 向いているシーン | プロジェクトフォルダ・部門共有フォルダ・継続的な更新が発生するファイル群 | 特定のファイルのみ限定公開したい場合・フォルダ内の一部だけ権限を変えたい場合 |
フォルダ共有はプロジェクト単位での管理に適していますが、フォルダ内にすべてのファイルが同じ権限で公開されることを念頭に置く必要があります。閲覧させたくないファイルがある場合は、共有フォルダとは別のフォルダに保管するか、個別ファイルに対して権限を上書き設定する方法を取ります。
フォルダを共有する手順は、ファイルの共有と基本的に同じです。
フォルダを共有すると、フォルダ内のすべてのファイルとサブフォルダに同じ権限が適用されます。共有したくないファイルがフォルダ内に含まれている場合は、そのファイルを別のフォルダに移動してから共有設定をおこないます。共有後に特定ファイルのみアクセスを制限したい場合は、そのファイルを個別に選択し、対象ユーザーの「アクセス権を削除」を実行することで上書きが可能です。
フォルダ共有を活用する際は、フォルダ構成を事前に整理し、共有対象のファイルと非公開ファイルを明確に分けて管理することをおすすめします。

Googleドライブでは、共有相手に付与する権限を3段階で設定できます。権限の選択を誤ると、不要な編集や削除が発生する可能性があるため、用途に応じた適切な権限を選ぶことが重要です。
権限の種類は「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」の3段階です。付与できる操作の範囲が異なるため、共有相手との関係性やファイルの機密性に応じて選択します。
| 権限 | 閲覧 | コメント追加 | 内容の編集 | 他者との共有設定変更 | ダウンロード・印刷 |
|---|---|---|---|---|---|
| 閲覧者 | ○ | × | × | × | △(所有者・編集者が制限しない限り可) |
| 閲覧者(コメント可) | ○ | ○ | × | × | △(所有者・編集者が制限しない限り可) |
| 編集者 | ○ | ○ | ○ | ○(一部制限あり) | ○ |
上記の比較表を参考に、共有相手に必要な操作の範囲に合わせて権限を設定します。原則として、必要最小限の権限を付与する「最小権限の原則」に従うことが、ファイルの誤編集や情報漏洩リスクを低減させます。
「閲覧者」権限は、ファイルの内容を確認するだけの権限です。編集・削除・コメントの追加はできません。ファイルのダウンロードや印刷は、所有者または編集者がこれらを無効にしていない限り実行できます。
主な用途:
ダウンロードや印刷を防ぎたい場合は、共有設定の詳細オプションから「閲覧者と閲覧者(コメント可)のユーザーがダウンロード、印刷、コピーできないようにする」を有効にします。機密性の高いファイルを共有する際には、この設定も合わせて確認してください。
「閲覧者(コメント可)」権限は、閲覧に加えてコメントや提案を追加できる権限です。ファイルの内容を直接編集することはできませんが、コメント機能を通じてフィードバックを受け取ることができます。
主な用途:
閲覧者権限との違いは、コメントを残せるかどうかです。レビュアーに内容の変更権限は与えたくないが、意見やフィードバックを収集したい場面では、閲覧者(コメント可)を選択します。
「編集者」権限は、ファイルの内容を自由に編集できる最も広い権限です。複数のメンバーが共同でファイルを作成・更新する際に付与します。
編集者権限で可能な操作:
注意点として、編集者権限を持つユーザーは他のユーザーとのファイル共有設定を変更できます。ただし、所有者の権限を変更したり、所有者を別のユーザーに移譲したりする操作は所有者のみが実行可能です。信頼性の高い相手に限定して編集者権限を付与し、外部ユーザーへの付与は慎重に判断してください。
共有後に権限を変更したい場合や、特定のユーザーの共有を停止したい場合は次の手順でおこないます。
権限の変更は即時反映されます。「アクセス権を削除」を実行したユーザーは、それ以降ファイルにアクセスできなくなります。プロジェクトの終了や担当者変更のタイミングで、定期的に共有設定を見直す運用を取り入れることをおすすめします。

Googleドライブで社外のパートナーや取引先とファイルを共有する際には、セキュリティ上のリスクに注意が必要です。適切な設定と運用ルールを整備することで、情報漏洩のリスクを最小化できます。
社外との共有は業務効率化に有効ですが、共有設定の誤りが情報漏洩につながるリスクを伴います。設定の意味を正確に理解し、ファイルの機密性に応じた共有方法を選択することが求められます。
「リンクを知っている全員」に設定したファイルは、URLを知っている人であれば誰でもアクセスできます。メールやチャットの誤送信、URLの転送・拡散によって、意図しない第三者がファイルを閲覧・ダウンロードできる状態になります。
社外秘のファイルや個人情報を含む資料には「リンクを知っている全員」の設定を絶対に使用しないでください。社外と共有する際は、相手のメールアドレスを指定する「制限付き」を基本として運用することを強くおすすめします。
社外共有における主なリスクと対策は以下のとおりです。
Google Workspaceの管理コンソールでは、組織全体の共有ポリシーを管理者が一元管理できます。特定のドメイン外との共有を禁止したり、外部共有を許可するユーザーを限定したりすることが可能です。IT担当者は、管理コンソールから適切なポリシーを設定し、組織全体のセキュリティレベルを底上げすることが重要です。
Googleドライブには「マイドライブ」と「共有ドライブ」の2種類の領域があります。社外との共有を含む組織的なファイル管理では、両者の違いを理解して使い分けることが重要です。
| 項目 | マイドライブ | 共有ドライブ |
|---|---|---|
| ファイルの所有者 | ファイルを作成した個人アカウント | チーム(共有ドライブ) |
| アカウント削除時の影響 | アカウントが削除されるとファイルも失われる可能性がある | メンバーが退職・離脱してもファイルは残る |
| アクセス管理 | ファイルの所有者が管理する | 共有ドライブのメンバーと権限で管理される |
| 利用できるプラン | すべてのGoogleアカウント・Google Workspaceで利用可能 | Google Workspace Business Standard以上が必要 |
| 主な用途 | 個人作業・一時的なファイル管理 | チーム・部門・プロジェクト単位での恒常的なファイル管理 |
共有ドライブはGoogle Workspace Business Standard以上のプランで利用できる機能です。ファイルの所有者が「チーム」となるため、担当者の退職や異動があってもファイルが消えることなく引き継がれます。組織のファイルを安全・確実に管理するには、共有ドライブの活用を検討することをおすすめします。
マイドライブは個人的な作業ファイルや一時的なやり取りに向いています。一方、部門やプロジェクト単位で継続的に管理するファイルは、共有ドライブで一元管理することで、担当者変更による引き継ぎミスや、退職後のアクセス権消失などのリスクを回避できます。

プロジェクトの終了や担当者変更など、業務の変化に応じて共有設定を見直す機会は必ず生じます。変更・削除の手順を把握しておくことで、不要なアクセス権が残ったままになるリスクを防げます。
共有設定は一度おこなったら終わりではなく、業務の状況変化に合わせて定期的に見直すことが求められます。不要なアクセス権が長期間放置されると、退職者や取引先の元担当者がファイルにアクセスできる状態が続くリスクが生じます。
共有ユーザーの権限を変更する手順は以下のとおりです。
特定のユーザーの共有を停止(アクセス権を削除)する手順は以下のとおりです。
リンク共有を停止する手順は以下のとおりです。
「制限付き」に戻した後は、以前発行したURLからのアクセスができなくなります。URLをすでに配布済みの場合は、受け取った相手への影響も確認したうえで設定を変更してください。
Google Workspaceでは、特定ユーザーへの共有にアクセス期限を設定できます(Google Workspace Business Standard以上のエディションが必要です)。設定した期限を過ぎると自動的にアクセス権が無効になるため、プロジェクト終了後や一時的な社外共有の管理に有効です。
アクセス期限を活用することで、退職者や取引先の元担当者へのアクセス権が自動的に無効になり、共有設定の棚卸し漏れによるリスクを大幅に低減できます。
共有設定の管理を定期的におこなうことが、組織のセキュリティ維持につながります。プロジェクト終了後や担当者交代のタイミングで、共有中のファイル・フォルダを一覧確認し、不要なアクセス権の棚卸しを習慣づけることをおすすめします。Googleドライブでは、ファイルを選択して「共有」を開くことで、現在の共有状況をいつでも確認できます。
Google Workspaceの管理コンソールでは、管理者が組織全体の共有状況を確認・管理できます。個々のユーザーの設定に依存するのではなく、組織レベルでの共有ポリシーを整備することが、より安全な運用体制の構築につながります。
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本記事では、Googleドライブの共有方法として、特定ユーザーへの招待手順、リンク共有の設定、フォルダ単位の共有、権限の3段階(閲覧者・閲覧者(コメント可)・編集者)の使い分け、社外共有の注意点、共有設定の変更・削除方法まで解説しました。
Googleドライブの共有機能は、適切な設定と運用ルールのもとで活用することで、業務効率を大きく高めるツールになります。一方、設定を誤ると情報漏洩のリスクが高まるため、組織全体での運用ポリシーの整備と、管理コンソールを使った一元管理が重要です。
サテライトオフィスは、Google Workspaceプレミアパートナーとして5,000社以上の導入実績を持ちます。Google Workspaceのライセンス販売から導入支援・設定サポート・社員研修・運用後のアフターサポートまで、ワンストップで対応しています。
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