第94回


Web会議ツールが業務の中心となった現在、会議内容を正確に残すことは多くの企業において重要な課題となっています。Google Meetには録画機能のほかに「文字起こし」機能が搭載されており、発言内容を自動でテキストとして記録・保存することが可能です。
本記事では、IT担当者の方に向けて、Google Meetの文字起こし機能の使い方、字幕(キャプション)との違い、日本語対応の現状、利用できるGoogle Workspaceのエディション別機能比較を詳しく解説します。導入前の検討材料としてお役立てください。

Google Meetの文字起こし機能とは、会議中に話された内容をリアルタイムで音声認識し、テキストデータとして自動保存する機能です。会議が終了すると、記録されたデータがGoogleドライブに自動でアップロードされるため、後から会議内容を確認したい場面で非常に役立ちます。
字幕機能と混同されることが多いため、まずは両者の違いを正確に把握しておくことが大切です。
Google Meetには「字幕(キャプション)」と「文字起こし」という、一見似ているようで目的が根本的に異なる2つの機能があります。
字幕機能は、会議中の発言をリアルタイムで画面下部に表示する機能です。聞き取りにくい発言を視覚的に補完する目的で利用されることが多く、表示されるのはあくまでリアルタイムの映像上のみで、会議終了後にデータとして保存されることはありません。あくまで「その瞬間の表示」として機能するため、後から内容を振り返ることや記録として残すことには向いていません。
一方、文字起こし機能は会議中の発言内容をテキストデータとして記録し、会議終了後にGoogleドライブへ自動保存します。保存形式は.docx(Microsoft Word形式)で、Googleドキュメントとして開くことも可能です。会議の議事録作成や内容確認を目的とする場合は、字幕ではなく文字起こし機能を利用する必要があります。
この点を混同したまま運用すると、「字幕をオンにしていたのにデータが残っていない」というトラブルにつながるため注意が必要です。
文字起こし機能で記録・保存される内容は、会議参加者の発言テキストです。具体的には、発言者の名前(Googleアカウントの表示名)と発言内容がタイムスタンプとともに記録されます。会議の流れをテキストとして追えるため、議事録作成の素材として活用する企業も増えています。
ただし、以下のような制限点も存在します。
文字起こし機能はあくまで発言音声の記録であるため、会議全体の記録として使う際は録画機能やチャットログとも組み合わせて活用することを検討するとよいでしょう。

字幕(キャプション)機能は、Google Workspaceのほぼすべてのエディションで利用できる標準機能です。会議中の発言を画面上にリアルタイム表示するため、聞き取りが難しい場面や周囲の騒音が気になる環境での会議において有効活用できます。ここでは、字幕のオン/オフ操作と言語設定の手順を説明します。
Google Meetで字幕をオンにする手順は次のとおりです。
字幕のオン/オフは会議中いつでも切り替えが可能で、他の参加者の字幕設定に影響を与えません。自分の画面だけに字幕を表示したい場合に気軽に利用できる点が特長です。字幕をオフにするには、同じ「CC」ボタンを再度クリックするだけで即座に非表示となります。
なお、字幕はあくまで画面表示のみの機能です。字幕をオンにしていても、発言内容がテキストデータとしてどこかに保存されるわけではありません。記録を残す目的であれば、次のセクションで説明する「文字起こし機能」を別途オンにする必要があります。
Google Meetの字幕は、利用する言語をあらかじめ設定することができます。日本語にも対応しており、設定手順は以下のとおりです。
字幕の言語設定は参加者それぞれが個別に設定するものです。会議の主催者が全員分の言語を一括で変更することはできないため、日本語で字幕を使いたい場合は各自が設定を行う必要があります。複数の言語が混在するグローバルな会議では、参加者ごとに自分が理解しやすい言語を設定できる点が柔軟な運用につながります。

文字起こし機能は、Google Workspace Business Standard以上のエディションで利用できます。字幕とは異なり、会議の発言内容をテキストファイルとして保存できるため、後から内容を確認したい場合や議事録作成の素材として活用したい場合に大きな効果を発揮します。ここでは、文字起こしの開始手順とデータの確認・共有方法を解説します。
文字起こしを開始するには、会議中に以下の操作を行います。
文字起こしが開始されると、画面上に「文字起こしが有効です」というインジケーターが表示されます。会議の参加者全員に対して、文字起こしが行われている旨の通知が届く仕組みになっているため、参加者のプライバシーへの配慮も機能として組み込まれています。
文字起こしを途中で終了するには、再び「会議ツール」→「文字起こし」→「文字起こしを停止」の順に操作します。会議が終了した時点でも自動的に文字起こしは停止され、それまでのデータが保存される仕組みです。会議の途中から文字起こしを開始した場合、開始前の発言は記録されないため、重要な会議では開始直後に文字起こしをオンにすることをお勧めします。
文字起こしデータは、会議終了後しばらくすると会議主催者のGoogleドライブに保存されます。ファイルはGoogleドキュメント形式でGoogleドライブに保存されます(必要に応じて.docxなど他形式にエクスポート可能です)。
ファイルには以下の情報が含まれます。
ファイル名は会議のタイトルをもとに自動で生成されます。定期開催の会議には事前にわかりやすいタイトルをつけておくと、後から目的のファイルを探しやすくなります。Google Meetのカレンダー予定からタイトルが引き継がれるため、Googleカレンダーで会議を作成する際に適切な名称を設定しておくことが効果的な運用方法です。
文字起こしデータは、会議主催者のGoogleドライブにある「Meet Recordings」フォルダに自動保存されます。会議の録画ファイルも同じフォルダに保存されるため、関連ファイルをまとめて管理することが可能です。
保存されたファイルは、Googleドライブの共有機能を使って他のメンバーと共有することができます。共有の手順はGoogleドライブの通常ファイルと変わらず、共有リンクを発行するか、特定のユーザーを指定してアクセス権を付与する方法を選べます。
なお、組織のGoogle Workspaceポリシーによっては、ファイルが自動共有される範囲に制限がかかっている場合があります。社内の共有ルールやセキュリティポリシーと照らし合わせながら運用方法を検討することをお勧めします。また、文字起こしデータには会議の発言内容が全て含まれるため、機密性の高い会議では共有範囲の設定に十分な注意が必要です。
文字起こしデータには会議参加者の発言が記録されます。外部参加者が含まれる会議で文字起こしを使用する際は、あらかじめ参加者に録音・記録の旨を伝えておくことが望ましい対応です。

Google Meetの文字起こし機能は日本語に対応していますが、英語と比較すると認識精度にばらつきが生じることがあります。企業のIT担当者として導入を検討する際には、日本語の精度に関する現状と制約をあらかじめ把握しておくことが重要です。実際の運用場面で「思ったより精度が出ない」と感じないよう、事前に正しい期待値を持っておくことが大切です。
Google Meetの文字起こし・字幕機能は日本語に対応しており、日常的なビジネス会話であれば概ね認識されます。ただし、英語をはじめとする他言語と比較した場合、日本語の認識精度は低くなる傾向があります。
特に認識精度が落ちやすいケースとして、以下が挙げられます。
現状の文字起こし精度は、ビジネス会議の内容をそのまま公式な議事録として使える水準とは言い難い面があります。文字起こしデータを議事録として活用する際は、必ず担当者が内容を確認・編集する運用フローを設けることを強くお勧めします。誤認識された内容がそのまま議事録として残ることを防ぐためにも、確認プロセスの整備が欠かせません。
Google Meetの文字起こし精度を向上させるためには、いくつかの工夫が効果的です。機材の選定から会議の進め方まで、実践しやすいものを取り入れてみてください。
精度を高めるための工夫はいずれも有効ですが、Google Meetの標準機能には音声認識エンジンの根本的な限界もあります。より高精度な議事録が必要な場合は、専用の議事録作成ツールの導入を合わせて検討することが現実的な選択肢となります。

Google Meetの文字起こし機能は、すべてのGoogle Workspaceエディションで利用できるわけではありません。自社が契約しているエディションによって、利用できる機能の範囲が大きく異なります。以下の比較表でエディション別の対応状況を確認し、自社の会議記録ニーズに合ったプランを選択してください。
| エディション | リアルタイム字幕(CC) | 文字起こし(保存) | Gemini自動メモ |
|---|---|---|---|
| Business Starter | ○ | × | × |
| Business Standard | ○ | ○ | × |
| Business Plus | ○ | ○ | ○ |
| Enterprise Standard | ○ | ○ | ○ |
| Enterprise Plus | ○ | ○ | ○ |
上記の比較から、文字起こし機能を利用するにはBusiness Standard以上のエディションへの契約が必要であることがわかります。現在Business Starterを契約している組織では、字幕のリアルタイム表示は可能ですが、テキストデータとしての保存はできません。
Gemini連携による自動メモ機能(会議の要約やアクションアイテムの自動生成)を活用したい場合は、Business Plus以上のエディションへのアップグレードが必要です。会議の記録・活用方法のニーズと現在の契約エディションを照らし合わせながら、最適なプランへの切り替えを検討してみてください。
エディション別の機能は定期的に更新・変更されることがあります。最新の対応状況はGoogleの公式サイトでご確認ください。また、エディションのアップグレードには追加費用が発生します。正確な料金については各社の契約内容をご確認ください。
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文字起こし機能で保存されたデータは、そのまま議事録として利用するには整形や誤認識の修正が必要な場合があります。しかしGoogleのエコシステムを活用することで、議事録作成の効率を大きく向上させることが可能です。Gemini連携やGoogleドキュメントとの組み合わせによる活用方法を解説します。
Google Workspace Business Plus以上のエディションでは、Geminiとの連携機能「自動メモ」を利用できます。自動メモ機能は、会議中の発言内容をAIが解析し、会議の要約や議事録の草稿を自動生成する機能です。手動で一から議事録を作成する手間を大幅に削減できます。
自動メモを有効にするには、会議開始前または会議中に「会議ツール」→「自動メモ」から機能をオンにします。会議終了後、Googleドキュメント形式の要約がGoogleドライブに自動保存されます。内容には、会議の概要、主な決定事項、アクションアイテムなどが含まれることがあり、参加者への会議結果の共有がスムーズになります。
ただし、GeminiはAIによる要約であるため、すべての発言や決定事項が正確に反映されるわけではありません。重要な会議では、生成された要約を担当者が必ず確認・修正するプロセスを設けることが適切な運用方法です。AIの出力をそのまま最終版の議事録とすることは避け、人によるチェックを必ず挟む運用を徹底してください。
文字起こしデータはGoogleドキュメント形式で保存されているため、そのまま開いて編集することができます。発言者ごとの内容を整理したり、不要な部分を削除したりといった編集作業も、Googleドキュメントの機能を使ってスムーズに進められます。
Googleドキュメントには複数人による同時編集機能があるため、複数の担当者が分担して議事録を仕上げる運用にも適しています。コメント機能を使って確認事項を書き残したり、提案モードで修正案を共有したりすることも可能です。チームでの議事録作成フローを整備することで、作業の属人化を防ぐことにもつながります。
さらに、文字起こしデータをGoogleドキュメントで開いたうえで、Gemini for Google Workspaceのサイドパネルを活用して要約や整形を依頼する方法も有効です。文字起こしの全文をAIに読み込ませ、「決定事項と担当者をまとめてください」などの指示を出すことで、より実用的な議事録の草稿を手早く作成できます。手動での編集とAI活用を組み合わせることで、業務効率と品質の双方を高めることが可能です。

Google Meetの文字起こし機能やGemini連携は、標準機能として追加費用なく手軽に利用できることが大きな利点です。一方で、日本語の認識精度や話者識別の正確さなど、業務で本格的に活用するにあたって課題を感じる場面もあります。より高精度な議事録が求められるケースでは、専用ツールの活用を検討してみてください。
サテライトオフィスが提供するサテライトAI議事録は、Google MeetをはじめとするWeb会議の音声を高精度でテキスト化し、自動で議事録を作成する専用ツールです。Google Workspaceとの親和性が高く、8万社以上へアドオンツール導入実績を持つサテライトオフィスが開発・提供しています。
サテライトAI議事録の主な特長は以下のとおりです。
Google Meetの標準文字起こし機能だけでは対応が難しいケースでも、サテライトAI議事録を活用することで、会議記録の精度と作成効率を大きく向上させることが可能です。
サテライトオフィスはGoogle Workspaceのプレミアパートナーとして、ツールの導入提案から活用支援まで一貫してサポートしています。Google Meetの文字起こし機能の運用方法についてお悩みの場合や、より高精度な議事録ツールへの移行を検討している場合は、お気軽にご相談ください。
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