第93回


Googleカレンダーは、Googleが提供するクラウド型スケジュール管理ツールです。個人利用はもちろん、Google Workspaceと組み合わせることで、チームや組織全体のスケジュールを一元管理できます。
予定の作成や共有といった基本機能に加え、Google Meetとのビデオ会議連携、Gemini AIによる自然言語操作など、ビジネスシーンに役立つ機能が豊富に用意されています。
本記事では、企業のIT担当者や管理者を対象に、Googleカレンダーの基本操作から応用的な活用方法まで体系的に解説します。

Googleカレンダーは、ブラウザやスマートフォンアプリからアクセスできるスケジュール管理サービスです。Googleアカウントがあれば無料で利用でき、Google Workspaceを導入している組織では組織全体の予定管理に活用できます。複数のカレンダーを色分けして管理できるほか、他のGoogleサービスとのシームレスな連携が大きな特長です。
Googleカレンダーで実現できる主な機能は以下のとおりです。
これらの機能を組み合わせることで、個人のタスク管理から部署横断的なプロジェクトのスケジュール調整まで、幅広いシーンに対応できます。
Googleカレンダーの画面は、大きく3つのエリアに分かれています。左側のサイドバーには、ミニカレンダーと「マイカレンダー」「他のカレンダー」の一覧が表示されます。中央エリアがメインのカレンダービューで、右上の切り替えボタンから「日」「週」「月」「年」「スケジュール」の5つの表示形式を選択できます。
画面上部の検索バーでは、キーワードによる予定検索が可能です。左上の「+作成」ボタンをクリックすると予定作成画面が開きますが、カレンダー上の任意の日時をクリックすることでも素早く予定を追加できます。また、キーボードショートカットとして「c」キーを押すと、どの画面からでも即座に予定作成ダイアログを開けるため、頻繁に予定を入力する場合に覚えておくと便利です。
右上の歯車アイコンから「設定」を開くと、タイムゾーン、週の開始曜日、デフォルトの会議時間など、カレンダー全体の動作をカスタマイズできます。組織全体で統一した設定を行いたい場合は、Google Workspace管理コンソールからの一括設定も可能です。

Googleカレンダーでの予定作成は直感的な操作で完結します。カレンダー上のクリック操作から詳細設定まで、段階的に入力できる設計になっているため、慣れると素早くスケジュールを登録できるようになります。ここでは予定の作成から編集・削除までの基本的な手順を説明します。
予定を作成する方法は複数あります。最もシンプルな方法は、カレンダーの日時エリアを直接クリックまたはドラッグすることです。クリックするとタイトル入力のポップアップが表示され、タイトルを入力して「保存」をクリックすれば予定が登録されます。さらに詳細を設定したい場合は、「その他のオプション」をクリックして詳細編集画面に進みます。
詳細編集画面では、以下の項目を設定できます。
ゲストを追加すると、招待メールが自動送信されます。ゲストは招待メールまたはGoogleカレンダー上から参加の承諾・辞退・未定の回答ができ、予定作成者側でその状況を確認できます。
「場所」フィールドにはテキストで住所や会議室名を入力できます。Googleマップと連動しているため、正式な住所を入力するとゲストが地図で場所を確認しやすくなります。社内会議室の名前を入力する場合は、Google Workspaceの管理コンソールで登録済みの会議室リソースを選択することも可能で、会議室の空き状況をリアルタイムで確認しながら予約できます。
「説明」フィールドはリッチテキスト形式に対応しており、太字・イタリック・箇条書きなどの書式を設定できます。会議のアジェンダや事前共有したいURLなどを記載しておくことで、参加者全員が同じ情報にアクセスできる状態を作れます。
添付ファイルにはGoogle DriveのファイルをそのままリンクできるほかローカルPCのファイルをアップロードすることも可能です。ただし、ローカルファイルをアップロードした場合はGoogleドライブに自動保存されます。会議資料や関連ドキュメントを予定に紐づけておくと、会議直前にファイルを探す手間が省けます。
作成済みの予定を編集するには、カレンダー上の予定をクリックしてポップアップを表示し、鉛筆アイコン(編集)をクリックします。詳細編集画面が開き、すべての項目を変更できます。変更内容はリアルタイムでゲストに通知されるかどうかを選択できる確認ダイアログが表示されるため、状況に応じて通知の有無を選べます。
予定の削除は、予定のポップアップまたは詳細画面上のゴミ箱アイコンをクリックします。繰り返し予定の場合は「この予定」「この予定以降のすべての予定」「すべての予定」の3つのオプションから削除範囲を選択できます。誤って削除した場合は、画面左上に表示される「元に戻す」をすぐにクリックするか、Googleカレンダーのゴミ箱(設定>ゴミ箱)から復元できます。ゴミ箱内の予定は30日間保持されます。

定例会議や毎週の報告業務など、同じパターンで繰り返す予定を毎回手動で作成するのは非効率です。Googleカレンダーの繰り返し予定機能を活用すると、一度設定するだけで自動的に繰り返し予定が生成されます。通知設定と組み合わせることで、重要な予定を見逃しにくい環境を整えられます。
予定の詳細編集画面で、日時の下にある「繰り返さない」というドロップダウンをクリックすると、繰り返しの設定メニューが表示されます。選択できる繰り返しパターンは以下のとおりです。
「カスタム」を選択すると、たとえば「2週間ごとの月曜日と水曜日」「毎月第2火曜日」といった複雑なパターンにも対応できます。終了条件は「指定しない(無期限)」「○回繰り返したら終了」「○日に終了」の3つから選べます。
繰り返し予定の一部だけを変更したい場合、編集時に「この予定のみ」を選択することで、特定の回だけ内容を変更できます。たとえば定例会議の一回だけ開始時刻をずらしたり、ゲストを追加したりする際に便利な機能です。
Googleカレンダーでは、予定ごとに通知方法とタイミングを設定できます。通知の種類は「メール」と「通知(ブラウザまたはアプリのポップアップ)」の2種類です。タイミングは分・時間・日・週単位で細かく指定でき、一つの予定に対して複数の通知を設定することも可能です。たとえば「1日前にメール」と「10分前に通知」を同時に設定するといった使い方ができます。
カレンダー全体のデフォルト通知は、設定画面の「通知の設定」から変更できます。デフォルト設定を変更すると、以降に作成するすべての予定に適用されます。個別の予定でデフォルトと異なる設定をした場合は、その予定固有の設定が優先されます。
なお、スマートフォンアプリからGoogleカレンダーを使用している場合は、デバイスのプッシュ通知機能を通じてリマインダーを受け取れます。重要な会議が近づいたときに確実に気づけるよう、スマートフォン側のアプリ通知設定も有効にしておくことを推奨します。

組織でGoogleカレンダーを活用する上で、共有設定の理解は欠かせません。共有する相手や権限の範囲を適切に設定することで、必要な情報だけを共有しながら、プライバシーを守ったスケジュール管理が実現します。
権限設定を誤ると意図しない情報漏えいにもつながるため、仕組みを正確に把握しておきましょう。
特定のユーザーとカレンダーを共有するには、左側のサイドバーで共有したいカレンダー名の右にある「…」(その他のオプション)をクリックし、「設定と共有」を選択します。「特定のユーザーまたはグループと共有する」セクションで「ユーザーを追加」をクリックし、相手のメールアドレスと権限を選択して送信します。
共有できる権限は4段階あり、用途に応じて使い分けます。以下の比較表を参考にしてください。
| 権限レベル | できること | 主な用途 |
|---|---|---|
| 予定の変更および管理 | 予定の作成・編集・削除、共有設定の変更も可能 | カレンダーを共同管理する管理者・アシスタント |
| 予定の編集 | 予定の作成・編集・削除が可能(共有設定の変更は不可) | チームメンバー同士でスケジュールを管理する場合 |
| 予定の詳細表示 | 全予定のタイトル・場所・説明を閲覧できる(編集は不可) | 他部署のスケジュールを参照したいメンバー |
| 空き時間のみ表示 | 「予定あり」か「空き時間」かのみ確認できる(詳細は非表示) | 会議調整のためだけに空き情報を共有する場合 |
権限の設定を間違えると、意図せず予定の詳細が外部に公開されてしまう可能性があります。特に社外ユーザーと共有する場合は「空き時間のみ表示」からはじめ、必要に応じて権限を拡張する運用が安全です。
カレンダーをURLで公開する設定は、「設定と共有」の「アクセス権限」セクションで行います。
「一般公開して誰でも利用できるようにする」にチェックを入れると、固有のURLが発行され、Googleアカウントを持っていない人でもカレンダーを閲覧できるようになります。公開URLはICS形式でのエクスポートも可能で、他のカレンダーアプリへのインポートにも対応しています。
一般公開設定はインターネット上の誰もが予定を閲覧できる状態になります。社内の機密情報や個人の予定を含むカレンダーでは使用しないよう注意してください。Google Workspaceを導入している場合、管理者は管理コンソールから組織全体の公開設定を制限することも可能です。
他のユーザーのカレンダーを自分の画面に追加するには、左側サイドバーの「他のカレンダー」の横にある「+」アイコンをクリックし、「人のカレンダーを表示」を選択します。追加したいユーザーのメールアドレスを入力して検索すると、そのユーザーが共有しているカレンダーをリクエストまたは閲覧できます。相手がすでに共有設定をしている場合は、そのまま表示されます。
Google Workspaceを利用している組織では、同じドメイン内のユーザーのカレンダーを管理者の設定によって組織内で自動的に参照できるようになっている場合があります。会議の調整や出張スケジュールの確認など、日常業務でよく活用される機能です。

テレワークやハイブリッドワーク環境では、ビデオ会議の設定を迅速かつ正確に行う必要があります。GoogleカレンダーとGoogle Meetの連携機能を使えば、予定を作成するだけでビデオ会議リンクが自動生成されるため、会議URLの共有漏れや誤送信といったトラブルを防げます。
予定の詳細編集画面で「Google Meetのビデオ会議を追加」ボタンをクリックすると、その予定専用のGoogle MeetリンクURLが自動生成されます。生成されたリンクは予定の詳細ページに表示され、ゲストへの招待メールにも自動的に記載されます。
ゲストはメールまたはカレンダーの予定から「Google Meetに参加」をクリックするだけで会議に参加できます。ブラウザ版のGoogle Meetを使用する場合はGoogleアカウントへのログインが必要ですが、アカウントなしのゲスト参加設定をホスト側で許可すれば、外部ゲストも参加できます。
Google Workspaceの設定によっては、予定にゲストを追加した時点でGoogle Meetリンクが自動的に付与されるよう設定することも可能です。組織として毎回手動追加の手間を省きたい場合は、管理コンソールの「Google Workspace」>「カレンダー」設定を確認してみてください。
生成されたGoogle MeetリンクのURLは、カレンダーの予定が存在する期間は有効で、同じリンクを繰り返し使用できます(最終使用から最大365日で期限切れになる場合があります)。定例会議では毎回同じリンクを使い続けることもできますが、セキュリティの観点からは予定ごとに新しいリンクを発行することを推奨します。
Google Meetには「ホスト管理」機能があり、ホストが会議に参加するまでゲストをロビーで待機させる設定や、特定のドメインのユーザーのみ直接参加を許可する設定が可能です。機密性の高い会議では、これらの設定を適切に構成することで不正参加を防止できます。
Google Workspace Business Standard以上のプランでは録画機能が利用でき会議の録画データはGoogleドライブに自動保存されます。欠席者へのフォローアップや議事録作成の効率化に役立てられます。会議録画の保存先や保持期間については、管理コンソールで組織全体のポリシーを設定できます。

Google Workspaceには、GoogleのAI「Gemini」が統合されており、Googleカレンダーでも自然言語を使ったスケジュール管理が可能です。
GeminiはGoogle Workspace Business Standard以上のプランで利用できます。定型作業にかかる時間を短縮し、より創造的な業務に集中できる環境を整えるために活用できます。
GeminiはGoogleカレンダーと連携して、スケジュールの確認や予定の候補提示をサポートします。たとえばGeminiに「来週の空き時間を教えて」と入力すると、カレンダー情報を参照した上で空き時間を回答します。「月曜日の午後に1時間のミーティングを入れて」といった指示で予定の下書きを作成することも可能です。
Geminiはカレンダーに登録された情報だけでなく、GmailやGoogleドライブの情報も統合して判断できます。たとえば「先月の○○プロジェクトの会議資料があった日を教えて」というような横断的な情報検索にも対応できます(プラン・設定によって利用できる機能は異なります)。
Geminiを活用した自然言語によるカレンダー操作は、複雑な操作手順を覚える必要がなく、日本語でそのまま指示できる点が特徴です。以下のような操作が自然言語で実行できます。
Geminiを通じたカレンダー操作は現在も進化が続いており、対応機能は順次拡張されています。最新の対応状況については、Googleの公式ヘルプページをご確認ください。
また、Gemini機能を組織全体で活用するには、Google Workspace管理コンソールでGeminiの利用設定を有効化する必要があります。IT担当者として導入を検討する際は、プランとライセンスの確認も合わせて行ってください。
サテライトオフィスでは、Google WorkspaceへのGemini機能の導入支援も対応しています。詳細は以下よりご確認ください。

外出先や移動中でもスケジュール確認や予定追加を素早く行えるのが、Googleカレンダーのスマートフォンアプリの強みです。AndroidとiOSの両プラットフォームに対応しており、PCとのシームレスなデータ同期でどのデバイスからでも常に最新のスケジュールを確認できます。
スマートフォンアプリのインターフェースはPC版と基本的な構成は共通ですが、タッチ操作に最適化されたUIになっています。画面下部の「+」ボタンから予定を作成でき、「予定」のほか「タスク」「不在(外出予定)」の項目を追加できます(旧「リマインダー」機能は2024年にGoogle タスクへ統合されました)。
アプリのビュー切り替えは、上部のメニューアイコンから「スケジュール」「1日」「3日間」「週」「月」を選択できます。外出時に使いやすいのは「スケジュール」ビューで、当日以降の予定をリスト形式で表示するため、次の予定を素早く把握できます。
予定のタップで詳細が表示され、Google Meetの会議リンクが含まれる予定では「参加」ボタンが表示されて直接Meetを起動できます。会議直前にスマートフォンから素早く参加したい場合に役立ちます。
AndroidおよびiOSのホーム画面にGoogleカレンダーのウィジェットを配置すると、アプリを開かずに今日または今週の予定を確認できます。ウィジェットのサイズや表示形式は複数の種類から選択可能で、ホーム画面のレイアウトに合わせてカスタマイズできます。
特に「次の予定」をコンパクトに表示するウィジェットは、忙しいビジネスパーソンに好評です。次のミーティングまでの残り時間や場所が一目でわかるため、移動のタイミングを逃しにくくなります。ウィジェットの追加方法はデバイスのホーム画面を長押しして「ウィジェットを追加」から「Googleカレンダー」を選択するだけです。

Googleカレンダーでは、一つのアカウントで複数のカレンダーを作成して管理できます。カレンダーを用途別に分けて色分けすることで、一画面を見るだけでどの種類の予定がどれだけ入っているかを視覚的に把握できます。
ビジネスと個人、部署別、プロジェクト別など、さまざまな切り口でカレンダー管理が可能です。
カレンダーの新規作成は、左側サイドバーの「マイカレンダー」横にある「+」アイコンをクリックし、「新しいカレンダーを作成」を選択します。カレンダー名、説明、タイムゾーンを設定して「カレンダーを作成」をクリックするだけで、新しいカレンダーが追加されます。
複数カレンダーを使った効率的な管理方法として、以下のような運用が多くの企業で実践されています。
各カレンダーには固有の色を設定でき、11色のカラーパレットから選択できます。色分けの凡例はサイドバーのカレンダー一覧が担っているため、チームメンバー間で色の意味を統一すると、共有カレンダーの視認性がさらに向上します。
表示したくないカレンダーは、サイドバーのカレンダー名の左にあるチェックボックスをクリックするだけで一時的に非表示にできます。集中したい時間帯に特定のカレンダーだけを表示して作業に集中する、といった使い方も可能です。
Google Workspaceでは組織共有カレンダーを作成して部署やチーム全員が参照できる状態にすることができ全社的なイベント管理や祝日・休暇管理に活用されています。組織共有カレンダーの作成と管理は管理コンソールまたは権限を持つユーザーが行えます。複数カレンダーを組み合わせて階層的に管理することで、個人・チーム・組織の3つのレベルでスケジュールを統合的に把握できます。

Googleカレンダーは単体でも高い利便性を発揮しますが、Google Workspaceの他のサービスと組み合わせることで、組織の生産性をさらに高められます。サテライトオフィスはGoogle Workspaceプレミアパートナーとして5,000社以上の導入実績を持ち、導入から定着支援まで一貫してサポートします。
GoogleカレンダーをはじめとするGoogle Workspaceのツール群は、IT知識に詳しくないメンバーでも直感的に使えるよう設計されていますが、組織全体での活用を推進するには、適切な初期設定と社内ルールの整備が重要です。サテライトオフィスでは、導入前のヒアリングから始まり、組織の業務フローに合わせた設定、従業員向けのトレーニング支援まで、包括的な導入サポートを提供しています。
Google Workspaceのプランは「Business Starter」「Business Standard」「Business Plus」「Enterprise」の4段階があり、それぞれ利用できる機能やストレージ容量が異なります。Geminiによる高度なAI機能やGoogle Meetの録画機能を活用したい場合はBusiness Standard以上が必要です。どのプランが自社に適しているかを判断するには、現状の業務課題や利用人数、必要な機能を整理した上で選定することが重要です。
サテライトオフィスは、プランの選定から契約、設定、運用定着まで一貫した支援体制を整えています。Googleカレンダーを中心としたスケジュール管理の効率化や、Google MeetとGeminiを活用したコミュニケーション改革に関心のある企業は、ぜひ一度ご相談ください。
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