導入企業:東北放送株式会社 様
系列局28社と歩調を合わせGoogle Workspaceを導入
サテライトオフィスのワークフローで業務効率化を実現
宮城県を放送対象地域とするテレビ・ラジオ兼営の放送局、東北放送株式会社。系列各局との情報共有など業務上の必要性が高くなり、Google Workspaceとサテライトオフィスのワークフローなどアドオンツール20種以上を導入。セキュリティの強化と業務効率化を実現している。

貴社の概要・特長について教えてください。
東北放送株式会社(tbc)は、宮城県を放送対象地域とするテレビ・ラジオ兼営の放送局です。TBS系列のテレビとJRN・NRN系列のラジオを運営し、地域に根ざした情報発信を行っています。「はやく、ただしく、おもしろく。」をスローガンに、報道・情報番組・スポーツ中継など幅広いコンテンツを提供し、地元の文化や経済にも貢献しています。
Google Workspace及びアドオンツールを導入したきっかけは?
系列各社(全国28社)でGoogle Workspace導入が進んでいました。系列の中で全国レベル、あるいは地方ブロック単位で会議があり、その資料の共有は、Google Workspaceに置き換わっていたのです。当社だけ別サービスを使うとなると、資料や予定の共有に手間がかかります。現場からは早くGoogle Workspaceを導入してほしいとの声もあり、情報共有など業務上の必要性が高いと判断し、オンプレミス型グループウェアの代替として弊社でも導入することにしました。
また、Googleサイト等を用いたグループウェア機能の実装も検討しましたが、スキル・マンパワー・所要時間等の制約から、十分な機能を備えたアドオンツールを導入する方針としました。
Google Workspaceとアドオンツールの概要、現在の運用状況について教えてください。
従来の社外メールサービスとオンプレミス型グループウェアから、新たなクラウドサービスへ全面的に移行しました。アクセスは会社貸与PCを基本としつつ、アドオンツールのシングルサインオンとセキュリティプロファイルにより、会社貸与・個人利用を問わずスマートフォンからのアクセスも許可しています。
Google Workspaceのサービス・パートナーとしてサテライトオフィスを選んだのは、アドオンツールの存在が大きかったですね。Google Workspaceだけでは実現できない端末ごとのログイン制御に加え、組織単位でのカレンダー表示、組織共有のアドレス帳、ワークフロー、社内掲示板・回覧板、ポータルサイト構築などのアドオンツールを20種類以上導入しています。
導入決定から、本格運用開始までの期間は?
期間は半年程度でした。従来利用していた社外のメールサービスも含め2024年4月、Google Workspace環境に全面的に移行しました。もっとも懸念していたのはメールサーバーの移行です。メールアドレスは業務用だけでなく、番組用もあります。移行がうまくいかないと視聴者からのメールが受信できない恐れもありましたが、トラブルなくスムーズに移行できました。
ただ、移行にあたっては、コストの大幅な増加、セキュリティ強化に伴う使い勝手の低下、Office365との比較、オンプレミス型グループウェアで利用してきたDBアプリの移行(AppSheetへの移行断念)、使わないとわからないGoogleのお作法、ITツールの活用に積極的でない人が多い、社内体制が追い付いていないなど、悩みや苦労は多かったです。

担当者として、Google Workspaceを導入してよかったと思ったことは?業務に変化はありましたか?
厳格なアクセス制限で強固なセキュリティを確立したことで、情報漏洩と不正侵入への不安は解消されました。これまでは、自宅のPCから会社のメールサーバーにアクセスすることを許可していましたし、スマホでメールをチェックしたい場合は、転送という形式で認めていました。しかし、今回Google環境に移行するにあたって、メールを受信できるのは会社の端末だけにしました。モバイルについても、クライアント証明書が入っている端末だけにしています。個人のモバイル端末から直接チェックしようとしても、ログインできません。あくまでサテライトオフィス・セキュリティーブラウザ経由でしか使えないようにしており、管理するのがシンプルになり、わかりやすくなりました。また、ドキュメントやスプレッドシート、スライドなどもスムーズに作成できています。アプリ間の連携も容易になり、作業も効率的になりました。これまでExcelやWordは、更新するたびに日付を付加してファイル名を変えたものをため込んでいましたが、今後は1つのドキュメントやスプレッドシートを共有すればすみます。社員の方にもGoogleのメリットをより身近に感じてもらえるのではないかと思っています。
Google Workspaceの導入を機に、業務効率化も推進しています。その1つがアドオンツールのワークフローの活用です。各種申請をワークフロー化したことで、業務効率化につながったと思っています。サテライトオフィスのワークフローは、承認ルートの条件を細かく設定できるところが気に入っています。

社員からの評価・評判について。Google Workspaceとアドオンツールの使い勝手などの評価はいかがですか?
Google Workspaceは他社オフィス製品と比較して「使いにくい」との声が一部あります。会社貸与・個人スマホからの利用に一部制限を設けていることも、個人スマホ利用者にとって不便との意見につながっています。一方で、各種申請をワークフロー化したことで、アドオンツール利用者は「業務効率化につながった」と評価しています。セキュリティ強化との兼ね合いで、利便性とのバランスが課題となっています。
導入後の運用面で、何か気を付けている点があれば教えて下さい。
セキュリティリスクを最小化するため安全な運用体制の構築に努めるとともに、社内におけるチャット普及促進のため、個別チャットの積極的な活用を推奨しています。
今後、Google Workspaceとアドオンツールに関連するサービスを追加、新規導入される予定は?
建物の入退出記録と独自の勤怠管理システムを連携させていくことを検討しています。現在使っている勤怠管理システムの出退勤は、手で入力する形式になっていますが、本社の建物では「何時に入った」、「出た」という記録が残ります。その情報をもとにサテライトオフィスのアドオンツールを利用して、独自の勤怠管理システムと連携させていこうと考えています。
Googleが開発した生成AI「Gemini」にも期待しています。私はDX推進以外に、コマーシャルや通信販売番組の内容を考査する業務も担当しているのですが、各種法律がきちんと守られているかどうかをチェックするのに「Gemini」が役立っています。まだ精度は粗いですが、かなり効率化できています。
今後は、系列各社で導入・開発されたツールやシステムも、もっと積極的に活用していきたいと考えています。本格運用が始まってまだ1年ということもあり、利用者の方々からの要望をうかがいながら、より使いやすい環境に育てていきたいですね。
基本データ
- ●創立:1951年12月10日(開局:1952年5月1日)
- ●社員数:従業員151名(2025年1月1日現在)
- ●所在地:仙台市太白区八木山香澄町26番1号(本社)
- ●導入アカウント数:220アカウント
東北放送株式会社
【ホームページURL】
https://www.tbc-sendai.co.jp/
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