導入企業:株式会社あらた 様
「シンプルで使いやすい」という社員の声を受け、20年以上使用した自社開発システムからGoogle Workspaceに乗り換え
アドオンツールの活用でセキュリティを強化、細かな不足・不満も解消
幅広い生活必需品を取り扱い、日用品・化粧品において日本最大級の規模をもつ卸商社の株式会社あらた。20年以上使い続けた自社開発システムをGoogle Workspaceに乗り換えるとともに、60種以上あるサテライトオフィスのアドオンツールを必要に応じて選択。セキュリティの強化や細かな機能の不足・不満の解消につなげている。

貴社の概要・特長について教えてください。
株式会社あらたは化粧品からペット用品まで幅広い生活必需品を取り扱う卸商社です。流通経済の一翼を担い、産業社会・地域社会に貢献することを念い、全国各地の有力な卸商社各社が長年の歴史と伝統を一つに結集・合併し、2002年に誕生しました。「あらた」という社名は、中国の古書「大学」にある「まことに日に新たにせば、日々新た、また日に新たならん」という言葉が由来となっています。
Google Workspace及びアドオンツールを導入したきっかけは?
自社開発したグループウェアを20年前から全社で利用していましたが、機能拡張を試みても仕様書が残っておらず対応が難しい状況でした。また、モバイル対応も十分できていなかったほか、ファイルをダウンロードして閲覧する必要があるなど改善の余地がありました。そこで、2023年に自社開発システムを使い続けることを含め、Microsoft 365やLINE WORKSとともにGoogle Workspaceなどを並べて比較検討しました。最終的には社員参加のコンペで「シンプルで使いやすい」という声が多かったことに加え、コスト面も考慮しGoogle Workspaceへの乗り換えを決めました。
Google Workspaceの導入にあたってはベンダーの比較検討も行いました。その中で選定したのがサテライトオフィスでした。Google Workspaceでは掲示板や回覧など足りない機能があります。サテライトオフィスの持つアドオンは60種ほどあり、そうした機能群で足りない機能を補完できることに大きな魅力を感じました。
導入決定から、本格運用開始までの期間は? また、導入時に悩んだ点、苦労した点があれば教えて下さい。
導入前の検証期間として半年から1年程度をかけ、さらに導入にあたっては半年かけて段階的に機能拡大を行いました。最初に導入したのはGoogleドライブでした。当時、データ共有に利用するツールが、支社や拠点単位で混在していました。共有に手間がかかっていたため、Googleドライブを導入することでローカル保存データをなくし、どこからでも簡単に共有できるようにしようと考えました。これまで使っていたグループウェアではファイル閲覧の際にデータをダウンロードするためネットワークの負荷が大きく、そこを改善したかったのです。その後、チャット、カレンダー、メールと各機能を追加するとともに必要なアドオンツールを導入しました。
ただ、従来環境と違う使い勝手に現場では戸惑いも見られました。たとえばメールは処理したら削除するという癖がついている人からすると、Gmailでは削除したはずのメールが残っているように見えます。そういう細かい使い勝手の問合せに対応したり、メールとチャットと回覧の使い分けに悩んだりと、どのような運用を行っていくか、今までの文化をどのように置き換えて行くかは悩みどころでしたし、今でも課題は残っています。

アドオンツールの概要、現在の運用状況について教えてください。
Google Workspaceの導入決定時から強く感じていたのがセキュリティの強化の必要性でした。従来のシステムはオンプレミスでしたので「社外からはアクセスできない」という安心感がありました。しかし、Google Workspaceはインターネット上に公開されている環境なので不正アクセスが懸念点でした。そのため、クラウドに移行したとしても「社外からは入れない」、「会社から貸与したiPhoneからだけ使える」というような制限は必要だと考えていました。このニーズに合致したのがサテライトオフィスのシングルサインオンとクライアント証明書でした。現在は「サテライトオフィス・シングルサインオン for Google Workspace」で社内の経費精算やドキュメント管理システムを連携させ、安全でスムーズなアクセスを実現しているほか、「サテライトオフィス・クライアント証明書 for Google Workspace」を利用することで利用端末の制御も行っています。
今回のシステム刷新にあたっては、「社内ポータルを作りたい」という要望もありました。ただ、Googleサイトでは静的なコンテンツになります。ユーザーが掲示物を投稿したり、回覧物を表示したりするには不足だと感じました。そこで、サテライトオフィス・Myポータルガジェット for Google Workspace」と「サテライトオフィス・ドキュメント管理 for Google Workspace」を使い、動的なコンテンツも扱えるようにしています。
「サテライトオフィス・会議室管理/在席管理/エリア監視 for クラウド」も会議室の利用管理のために本社の全会議室を対象に導入して活用しています。以前から会議室のスケジュール管理はしていましたが、予約しているだけで使っていない状態を解消したいという要望が総務部門から出ていました。試行錯誤しながらのアドオン導入でしたが、空予約の自動解除などで空き会議室不足の解消に一役買っています。
最も早い段階で導入したのが「サテライトオフィス・組織&グループカレンダー for Google Workspace」と「サテライトオフィス・組織アドレス帳 for Google Workspace」です。Google Workspaceのアドレス帳を利用させていたところ、現場からの問合せが相次いだのです。「名前検索では同姓同名もいてわからない、どうにか組織名から探せないのか」という相談です。社員は全体で約1万人いますから、検索だけでは扱いづらかったのです。混乱を避けるため、階層表示は必要だと判断して追加導入しました。

担当者として、Google Workspaceを導入してよかったと思ったことは?
導入時には苦労もありましたが、すべてを通して運用性・操作性が一貫していること、自動的にバージョンアップされて最新機能が自動的に利用できること、AIなどの最新機能が実装されることもありますし、無料で評価できることなど、総合的に見て導入してよかったなと感じています。アドオンの利用などで新たにいろいろなツールを導入する必要がないのも助かっています。
社員からの評価・評判について。Google Workspaceとアドオンツールの使い勝手などの評価はいかがですか?
会社が保守的なところがあり、グループウェアを変更すると社員に不安が強く出てしまいます。「まずやってみよう」とはなかなかなりません。そのため順番にツールを入れて慎重に拡大して行きました。Google Workspaceの利用については現場の評判はいいですね。特に、利用の多いメールの乗り換えは時間をかけて慎重に進めた結果、社員からは好評のようです。アドオンは設定で少し使いづらいと思う部分はありますが、活用が進んでいます。たとえば、カレンダーについては多くの社員から使いやすいと好評でした。グラフィカルなUIでタップすればパッと表示されるのは便利ですね。ただ手軽なチャットと慣れたメール、返信が書き込める回覧の使い分けはまだ進行中です。特に営業職で回覧が非常に多く使われるなど特徴も見えていますし、使い慣れるうちに便利なやり方へ変わって行くと思います。
広報部門が社内報のデジタル化に利用するなど非IT部門でもGoogleサイトを業務に使いこなす例が出て来ています。従来ツールの置き換えという範囲を超えて積極的な活用を始める動きも出てくるなど、現場への浸透は進んでいます。
現状ではドキュメント制作等にMicrosoft Officeが使い続けられていますが、これも将来的にはGoogle Workspaceへの統合を検討しています。Officeに頼り続けると二重投資になるので、Googleスプレッドシートなどを活用すべきだと思っています。他社とのやりとりはどうしてもExcelファイル等になりますから完全な統合は無理ですが内勤であれば対応できるはずです。社内業務ならばChrome OSとGoogle Workspaceの組み合わせでもできるのではないかと個人的には考えています。現状はまず「Googleスプレッドシート等を使ってみませんか」という段階です。教育用動画を用意して年に数回見る機会を作るよう働きかけていますが、社内への普及や利用拡大に向けての取り組みに取り組んでいきたいと考えています。
今後、Google Workspaceとアドオンツールに関連するサービスを追加、新規導入される予定は?
脱PPAPを目的に「サテライトオフィス・大容量ファイル転送 for Google Workspace」の導入を検討中です。特に注目しているのが生成AIの進化です。メールやチャット、回覧などにある情報の中から、本当に急いで見る必要があるものをわかるようにしてあげたい。できれば「今日あなたの仕事はこれで、この順番です」とできるのが理想ですね。これをAIで上手く処理できたらいいなと思っています。QAチャットボットやRAGについても自社でどう使えるのか研究中です。

今後、導入する企業へのアドバイスがあれば教えて下さい。
Google Workspaceはいいツールなので、利用検討はぜひお勧めします。ただしMicrosoft Officeとの使い分けや統合などいくつかのハードルがあるので、自社にとってどういう姿がいいのかしっかり考える必要があります。不足する機能はサテライトオフィスのアドオンは60種以上もあるので自由に選択して利用すればワンストップで実現できると思います。
基本データ
- ●創立:2002年4月1日
- ●社員数:(正社員数)
(連結)2,893人 (単体)1,965人 (2024年3月末) - ●所在地:東京都江東区東陽6丁目3番2号
イースト21タワー - ●導入アカウント数:
Google Workspace Enterprise Standard 2300
Google Workspace Frontline Standard 500
株式会社あらた
【ホームページURL】
https://www.arata-gr.jp/
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